週末に近づくとお弁当の具材も乏しくなるので今日は息子には勘弁してもらった。
自分用には卵はいくらかあったからたまごトーストを作ろうと思い立った。 薄焼き卵とスライスチーズ。 きゅうりの代わりにズッキーニを挟んだ。 朝食用とお昼用にも包んで持って出た。 このたまごトーストは学生時代のバイト先のまかないでよく作ってもらった。 喫茶店というより昔でいうフルーツパーラーのようなお店で、サンドイッチとパフェ類がなかなか評判だった。 卵はゆで卵を潰したものではなく、薄焼きたまごを挟んであるのが当時の私には新しかった。 たまごサンドもあったけど、こんがり焼いたたまごトーストサンドが好きだった。 いつもではないけど、ちょっとお客さんがひいた時に「食べるか~」とマスターがさりげなく作ってくれる。 さくっ!さくっ!とトーストを見事な手さばきで切り分けてくれた。 断面もきれいに揃い、未だにそれは再現できないけれど、味は薄く塗ったマヨネーズとケチャップで、あの時の味には近づいてるかな♪さらに、お客さんにはお好みで塩を持って行ったけど、ひとふりかけるとたちまちあの頃にタイムスリップしたような気がする。 たまごトーストを、作るたびに思い出すことだ。 もうひとつ思い出すことがある。 パフェも人気のお店だった。 ある日曜日。お店はわりと混んでいた。 お母さんと小学生の男の子と女の子の親子連れ。パフェのオーダーを聞いた。 その直後、隣の席に高校の同級生が二人座っているのに、気がついた。 いや~。久しぶり~。二言、三事交わしているうちにさっきの親子のオーダーをすっかり忘れていたのだ。 20分いやもっと経っていたかもしれない。 そのお母さんが、まだですか?と言って来られた。その瞬間、頭が真っ白になった。 「忘れてはったん?」「もういいです!」と子どもたちを、連れて店を出ていかれた。 申し訳なかった。 本当に申し訳なかった。きっとその時より親になってからの方が申し訳ないという気持ちがどんどん強くなって行ってる。 その子どもさんたちが楽しみに待っていた時間を私は台無しにしてしまったんだなという気持ちでいっぱいだ。 不思議にその同級生たちが誰だったのかはもう思い出せない。しかし、あの親子の面影ははっきり覚えてるのだ。 そんな、たまごトーストからのバイトの思い出だ。 ************ 夕方の庭はもう渇いていた。 水をたっぷり渇いた庭に撒いた。 桔梗が次々と咲きだした。 わさわさのハンカチの木 去年いただいた花も、白い小さな花をつけだした。 鈴なりの風船かずら。
by pass8515
| 2015-07-03 20:00
| 思い出ばなし
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