「バベルの塔」展

大阪・中之島の国立国際美術館「バベルの塔」展に行った。

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旧約聖書の「バベルの塔」の物語をオランダの画家ブリューゲルが描いた超大作。
しかし、その絵は意外に小さかった。そして細かい描写はなかなか肉眼ではわからなくて、
拡大版ビデオや、超拡大した部分のパネルで、とことん詳しい説明が施されていた。

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ネーデルランドとはオランダのことばかりかと思っていたら「低い土地」
今のオランダ・ベルギー一帯の事を指すらしい。
16世紀。500年ほど前の、ネーデルランドの人々の暮らしや風俗を描いた
木版画がいっぱいだった。

天にも届きそうな「バベルの塔」は、神の怒りを買い、ついに完成はしなかった。
空想の世界だけれど、このくらいの大きさらしい。
東京タワーや通天閣と比較してあった。

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絵画を見る時間はとても落ち着く。ひとつ、ひとつ詳しくはわからないけれど、
名画に心を向けている間は、いろんなことを忘れてしまっている。
さっきあった嫌なことも、その時だけは忘れていた。

朝、大阪に向かう電車で、私は一人憤っていた。
憤慨していた!

こちらから乗る電車はたいていは始発で、まず100%座れる。
今日は多少は混んでいたもののまず座れる。
ホームで、私は三番目に並んでいた。

さあ、ドアが開く。
いっせいに乗客が雪崩れ込む。
ここで問題なのは、車庫からやって来た始発電車は、
進行方向へ座席を裏返せねばならないということ。

私は座ろうとした座席の前の席を後ろに倒した。
そして座ろうとする席を後ろに倒そうとしたその時に一人のおばさんが、
「もう、私が座ろうと思っていたのに!」と、体を割り込ませてきた。
もうその肉の塊は、ぐいぐいと私を押し退けて、その勢いに負けてしまった。

夫婦二人連れだった。
是が非でも、何がなんでも、夫婦二人並びでロマンスシートに
落ち着きたかったのだろう。
私は通路をはさんだ、横の席に空席を見つけ、とりあえず座った。
しかし、この怒りはいくら経っても消えなかった。

腹が立ったのは、二点!
「私が座ろうと思っていた」だと~?
そこは指定席か?予約席なのか?
席争奪戦は、よくあることでダメなら他にも席はいくらでもあるのに。
明らかに私の方が先にその席に入っていた。

そして、その夫!
知らん顔して、妻が勝ち取った席にふんぞりかえって座っていた。
飴など出して、地図など出して、すっかり旅気分だった。

私の主人なら、もういいからと他の席に移ろうとするだろう。
あー。嫌な気持ちの旅のスタートだった。

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美術館を出たあと、しばらくビジネス街を歩いて地下鉄で梅田に出た。
5月に友人たちとランチした32階建てのビルが見晴らしがいいので、
ランチは、そのビルのどこかと決めていた。

今日は、どんより曇っていたけれど、やはり気持ちがいい。
平日の1時ごろ、天空で一人でから揚げランチ&ビール。
こんな非日常が、結構手軽に手に入るんだなあ・・。
その頃は朝の怒りも鎮まっていた。

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ミュージアムグッズを選んだ。
絵葉書と、エッグスタンド。
フクロウの絵に、一目惚れ🎵

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Commented by desire_san at 2017-07-27 13:42
こんにちは、
私もブリューゲル『バベルの塔』展を鑑賞してきましたので、ブログを興味深く読ませていただきました。ブリューゲルの『バベルの塔』の絵画には、工事現場の材料を引き上げるクレン等の重機、レンガでアーチを作り、足場を組み上にレンガを載せ、最後に足場を解体してアーチを完成させる当時の建築技術と工事の様子が圧倒的な迫真性を細密に描写していて、その驚異の写実描写はただ驚くばかりです。ブリューゲルの『バベルの塔』は米粒ほどの人物や船の関所、建築現場の足場に至るまで緻密に描かれていて、この『バベルの塔』の物語が現実に起こっているようなリアルさと恐ろしさを感じました。

私はブリューゲル『バベルの塔』展の感想と、リューゲルの油彩画40点のうち12点を所有するウィーン美術史美術館を始め、現地に行って見たブリューゲルとボスの名画を紹介しながら、ブリューゲル絵画の魅力と、ブリューゲルの世界観・人間観を考察してみました。一度眼を通して頂けると嬉しいです。ご感想、ご意見などコメントいただけると感謝いたします。

Commented by pass8515 at 2017-07-27 18:59
> desire_sanさん
こんにちわ。
コメントをどうもありがとうございます。
細かい描写でしたね。人だかりと適度な暗さで、細部まではなかなか見ることは
できませんでした。
500年ほど前の絵が現代にも通じるような、無常観や虚像や虚栄心を私なりに感じました。

折しも東京オリンピックの新国立競技場での過労の問題。
なんだか、重なってしまいました。
「バベルの塔」は空想ながらも、結局は完成しなかったのですね。
そのあとに続く、人々の思想に基づく争いを間違いなく暗示していますね。
見てよかったと思います。
せっかく、可能な距離にやって来たのだから、見て来てよかったと思いました。

とてもお詳しく、感服いたしました。
時間が許す限り、拝見したいと思います。


by pass8515 | 2017-07-25 19:41 | おでかけ | Comments(2)

毎日を丁寧に過ごしていきたいから自分の暮らし、想いを綴ります。


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