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ティールーム

今月いっぱいで閉店するデパートについて、何か一つでも、思い出はないものかなと、記憶をたどった。
ブログに上げるような事が…と、たどった。
しかしないなあ。本当にないなあ。と思っていた。

ふと、昨日になってはっと気がついた。
あの出来事、あの言葉!!
まさに、あのデパートのティールームでの事だった。

実は、この事に関しては、以前からずっとブログに書こうか、書こうかと迷いながらも、そのままにしていた。
しかし、書くべきだと必然を与えられたようで。
なので書きます。

もう、ずいぶん前のこと。
知人がある刺繍展に誘ってくれた。若い時からずっと続けていたらしい。
その刺繍展の会場がこのデパートの催事場だった。
一緒に行ったもう一人が、これまたパッチワーク名人。
裁縫苦手の私だったけど、こんな美しい緻密な世界もあるのかと、作品の数々に見入った。

刺繍展のあと、3人でデパート内のティールームでお茶をした。

「すごいね〜とてもきれいだった。2人ともいい趣味を持っているね〜。私は針仕事はからきし、だめで〜」と、素直に言った。

そうしたら、パッチワーク名人が、こう言ったのだ。

「ぱすさんの、お母さんも(裁縫を)してなかったんやろ。そうしたら、その娘もせえへんもんやねん」と・・。

私は、言葉に詰まった。
何故、この人はこんな失礼な事を言うのだろう。

ひと呼吸も、ふた呼吸も、間を置いて、出来るだけ冷静に、出来るだけ笑顔で、私は答えた。

………いいえ。その逆よ。
私の子供時代の服は全部母の手作りだった。
嫁入りの着物も、すべて仕立ててくれた。
今も(その当時)家で着物の仕立ての仕事をしている。

雑巾一つ、私は母についつい頼んでしまうねん。
母が出来過ぎるから、娘がこうなってしまってーん(笑)
ははは・・と。

相手は、バツが悪そうな顔をしていた。
そもそも、なんで私は、敢えて言わなくてもいいことを、むきになって言ってるのだろうとも思った。
しかし、母の名誉挽回のためにちゃんと言っておきたかった。
こんな事、勝手に言わせてたまるかと言う気持ちになった。

三十代後半。あのデパートのティールーム。3人の座り位置。
何度となく、出て来る光景だった。

私も、ここ数年刺繍にはまった時期がある。
楽しかった。苦手意識を払拭したいという気持ちもあった。
針を刺しながら、あの時のあの光景を思い出してもいた。

しかし、人には得手不得手が必ずあり、いつしか熱も冷め、手も患ったものだから、布や糸はまた見えないところに仕舞い込んだ。

自分の不得手は、一番自分がよくわかっていて、それを言われたら仕方がないけど、家族の事まで言われるのは、本当に腹が立つものだなと、思った。

そんな遠い思い出だったけど、あの言葉は忘れられない。
でも、きちんと説明が出来て良かったとも思った。
飲み込まなくて良かったと思った。

*****************

久しぶりにフランス映画を見た。
売れない中年女優カミーユは、酒におぼれ、夫とも危機状態だった。
ある日、ひょんなことで過去に戻り、元気だったころの両親と再会し、学生生活を送ることになる。
面白かったのは、その中年の姿のまま、学生生活を過ごす様子。
周囲も大騒ぎせず、何の違和感もなく、接しているのが、良かった。
タイムスリップものにありがちな、ドタバタした感じもなく、お洒落で、センスよくまとまっていた。

戻れるものならいつに戻りたい?
この映画を見ている最中、自分に何度か問いかけた。
このままの姿で、高校時代を一日だけ過ごしてみても面白いな。
20数年前に戻って、あの頃の子供たちと話してみたいな。
そしてもう少し、自分自身にしっかりせえよと、喝を入れて、現代に戻って来られたらいいなあ。

映画の友は、イタリアのお菓子
ヘーゼルナッツクリーム入りのパイが美味しかった♪
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おひなさまを出した。

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配置をいろいろ考えたが、まずは記念撮影を・・
それから、ゆっくりと考えよう。

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by pass8515 | 2018-02-18 16:15 | 大切なこと。
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