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叔母からの電話

11月とは思えない、またまた暑いくらいの晴天だった。
車に乗っても、窓を開け、毛糸のものを着ている人を見かけたとしたら、とても暑苦しく見えた。
そんな、週末だった。

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夕方、夫の叔母から電話があった。
この叔母からの用件は、決まってお寺関係の事である。
今は空き家になった夫の亡両親と同じ集落の叔母からである。
お寺の永代供養料を立て替えた、春祭り・秋祭りのおさがりを預かっている。
今日の電話も、秋祭りのおさがりを、取りに来て欲しいということである。

かねがね、なんでお寺は、叔母に預けるのだろう。
なんで、直接私たちに連絡をくれないのであろう。ずっと、私は気になっていた。
春秋、年二回の永代供養料。そして、春・秋祭りのおさがりの餅。
高齢の叔母のところに、預けずに直接、こちらに言って来てほしい。

夫に言っても、埒が明かなかった。
檀家を取り締きる人がいて、お寺もその人に一任して、同じ集落の叔母のところに預けさえすれば、徴収さえすれば、手っ取り早いのだろう。
夫にすれば叔母のところに餅を取りに行っても、その檀家を取り仕切る人のところに、餅を取りに行っても、手間は同じこと。
そういうこと。だから、腰が重かった。
何ら、打開策も打ち出さなかった。
しかし、義母が亡くなり、空き家になって、もう7年である。
高齢の叔母。次の世代は、同居している夫の従弟夫婦である。
我が家とは、仲良しだけど、そこまでは、引き継げない。
申し訳ない。
あの人たちも、きっと面倒なはず。

案の定、夕方の叔母の口調は明らかに面倒くさそうだった。
夕方、今すぐに取りに来い。という口調だった。
「明日、行かせていただきます。いつも申し訳ないですね。」と私が言うと、
「え~明日?ほな、郵便受けに入れとくから・・・!」と、ガチャと電話を切られた。

夫は、自分の実家・親戚回りのことで私が口を挟むと、機嫌が悪くなる。
それを除くと、温和ないい人だから、私もそこを避けてずっと来た。
価値観ぴったり、旅の方向性もばっちり!
だから、波風立てなくなかった。
しかし、いいかげんにどうにかしなければという思いに駆られた。

さあ、どうする。どうする。どうする。
明日、餅を取りに行く。これを後世、ずっと続けるのか。
永代供養料、振込用紙はないのか。この、ハイテク時代に、そういうシステムはないのか。
それを、聞く事もはばかられのか。
小さな集落にまだ残る、深い闇のような因習に、縛られている。

小春日和(?にしては、暑すぎる)だけど、庭はすっかり色づいていた。
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深い秋の色が、壁に張り付いていた。
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by pass8515 | 2018-11-10 18:04 | 暮らし
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